【完】その黒曜、あまりに気高く、あまりに最狂

――数時間後。



夜の帳が下りた鳳学園の屋上
そこは、昼間の静けさが嘘のように、重厚なバイクの排気音と紫煙が漂う『黒曜』の聖域へと変貌していた。


「おい陸! スマホばっかいじってねえで、特攻旗の準備しろ!」


シルバーグレーの短髪ウルフをかきむしりながら、千堂蓮が吼える


「え〜、蓮くん固いこと言わないでよ。今レイさんの今日のメイクの予想で忙しいんだから」


ミルクティーベージュのパーマ頭を揺らし、鳴海陸がヘラヘラと笑う


「騒がしいですね。総長の前ですよ、静粛に」


眼鏡を外し、冷徹な目を剥き出しにした一ノ瀬が闇から現れる。
その直後、階段の扉が開き、ゆっくりと二人の足音が響いた