「家でも何でも売って返すか、手っ取り早く身体売って金返すか」
「⋯、」
「どっちか選べ」
それはまるで、選択肢があるようで、ない。
というのは二択のうち、一択しか道がないと言う意味ではない。
私は、どちらも嫌なのだ。
家を売るのも、身体を売るのも。
「嫌です!!」
ハッキリとお兄さんたちを見て言えば、ガッと髪の毛を思いっきり掴まれた。
頭皮ごと剥ぐつもりなんじゃないかってくらい、強く。
「いた、ちょ、毛根!!毛根どうかしちゃうよ!!」
離せ、と叫んで暴れてみるも金髪兄さんは力を緩めることなく怖い顔を近づけてくる。
くそう、もしお母さんが買い物に出掛けてなかったら叫んで警察に電話してもらえるのに!!と、数分前に買い物に出掛けて行ったお母さんを恨めしく思った。
でも、そんな恨むべきお母さんだけど、お母さんのこの家を売るわけにはいかない。
今日までの20年間育ててくれたお母さんが大事にしている家を売るわけにはいかないんだ。
「離せっ!金髪!!」
バタバタと髪の毛を掴む男の手を剥がそうと藻掻くけれど、そんなもの意味もないというように掴み上げられていく髪の毛。
たぶん、数本抜けてる。
もしかしたら十数本かもしれない。
サアッと顔を青くさせながら、裕二くんのことを思い出す。
あの野郎、ただじゃおかねぇ!!!
と、痛みに顔を歪めながらいつか裕二くんへの仕返しを決意した私は、手がダメなら⋯⋯と、
「えいっ!」
「ヴっ、!?!?⋯っ!!」
金髪男の下半身目掛けて思いっきり蹴りを入れた。



