ところで。
「どうして私が2000万払わなきゃならないのさ」
問題はそこだ。
母と二人暮し。
まぁ、貧乏ではないけれど、2000万なんて大金すぐにはいどうぞと払えるわけがない。
そもそも、それは裕二くんの借金であって私の借金ではない。
納得できないぞ。とアピールするように唇を尖らせて腕を組めば、金髪のお兄さんが大きなため息を吐いた。
「お前バカかよ?いや、バカなんだな。わかった、これ見ろ、ほら、ここだよここ」
「どこどこ」
「この連帯保証人っつーとこだよ!」
憐れむような口調でハッキリと私の筆跡で山田芽依子と書かれた箇所を指さす金髪のお兄さんは、それはもう、わかりやすく、説明してくれた。
「連帯保証人っつーのはなぁ、簡単に言えば金借りた奴の借金を返さなきゃいけねぇんだよ。普通の保証人と違ってやっかいなのは、債務者と同等の責任があるってところだ。
保証人に与えられる催告、検索の抗弁権はないし、仮に裕二くんが借金を返す能力があるのに返さない場合でも、お前は代わりに借金を返さなきゃいけねぇの。まぁ、今回は裕二くんが消えたからそれは関係ねぇけどな」
「わかったか?」
面倒そうに私を見下ろした金髪兄さんに、とりあえずこくりと頷いておく。
催告なんたらってのは難しすぎてよくわからないけど、とりあえずあれでしょ、私が裕二くんの代わりに2000万をお兄さんたちに返さなきゃいけないってことでしょ。
ふむふむ。
「って、なんでやねん!!!!」
まるでベテラン漫才師のように華麗にツッコミを入れたというのに、ツッコまれた当の本人である金髪のお兄さんは「あ"ぁ!?」と、面白味のない顔で睨んだ。
その顔はまるでそういう事を本業としているんじゃないかってくらい怖くて、びくっと肩が上がる。



