左は陽くん、右は蓮くん。

「えっ。この前だよ?」
陽はいつも通りに笑っている。
「えー、俺知らないーっ」
「学校終わってからだから」
陽は蓮の肩をトントンして、一瞬だけ無表情になった。
「蓮ー。俺にもバッテリー貸してよー」
「……無理」
「なんでー?」
「……陽は、バッテリー持ってるし」
私は二人の間に割り込む。
「あきちゃん。待ってるから早く行こう」
蓮は陽から離れると歩き始めた。
陽は数秒固まった後、何事もなかったかのように二人の後を追った。
待ち合わせの中学校に付くと、校門に浴衣姿のあきが立っている。
こちらに気付いたあきは、大きく右手を振った。私も手を振り返し、あきの元に小走りで向かう。
「お待たせ〜」
「私も、さっき来たから大丈夫」
あきの視線が蓮のカメラを捕らえた。
「蓮くん!それ、ミラーレスカメラ!」
蓮は頬を緩めて、カメラに視線を落とす。
「……うん」
あきの目がキラキラと輝く。
「わぁ!いいなぁ!でも、高かったでしよ?」
「……うん。
……でも、一生物だと思ってるから」
蓮はそう言って、カメラを抱き締めた。
「よし、行きますか!」
あきちゃんがそう言ったと同時に歩き出す。