恋するなら、君とだけ。

「もーお!綾人!!」

「ごめんごめん。でも、深雪。桃香ちゃんとちゃんと仲良くするんだよ?

桃香ちゃんごめんね。深雪は暴走するとヤバくなるから。よろしくね」

な、なんか綾人くん、深雪ちゃんのお母さんみたい…あはは。

「い、いえいえっ…!あ、あの…。」

ーぐいっ!

わたしを手を引いて駆け出した、一宮くん。

へっ、へっ!?

な、なりするつもりっ…!?

後ろから、『ちょっと蓮!!』という叫び声が聞こえてしまったけれど、一宮くんは気にせず、ずんずん歩いた。

どこまで行ったか。

途中でピタッと止まって、一宮くんが振り返る。

「あ、あの…一宮くんっ…?」

どうしたんだろう、と不思議に思って、こてんと首を傾げる。

「お前…なんでここにいるんだ?」

「そ、れは…」

ぐっと下唇を噛み締めた。

本当は、一宮くんに会うために…頑張ってきた。

難しい問題も、自分と向き合って、頑張ってきた。

けど…わたしの気持ちは一宮くんにとって、迷惑でしかない。

「いっ…、一宮くんが…っ。」

ーシーン

と、空気が止まる。

えっと、これ、言うべき?

ど、どうしよう。

じっと答えを待っている一宮くんに対しておろおろしてしまう。