「ありがとうございました!」
部活が終わった。
「カイト先輩っ!」
「ん?どうしたの?」
「これ、ありがとうございました!」
「マフラー?まだ着けてなよ?寒いでしょ?
このあと雪降るみたいだよ〜〜!!着けて帰りな?」
「でも、カイト先輩も寒いですよね?」
「ううん、俺は寒くないよ。だから着けて帰って?
帰すのは卒業式でいいよ?風邪ひかないでね。
エミちゃん?」
「ありがとうございます…」
「あの!先輩っ!!」
「ん?どうしたのエミちゃん」
「あの!」
『 』
「やっぱり何でもないです…」
ー ほら、わたしはまた言えなかった。
「エミちゃん、なぜだかいつも俺に遠慮してるよね?」
「…」
「伝わらないよ、ちゃんと言わなきゃ、伝わらないから、遠慮しないで俺に伝えてほしいな…
じゃなきゃ嫌われてるのかなあって不安になるよ。」
先輩が勇気をくれた。伝えるチャンスをくれた。
「カイト先輩っ!
卒業式の日、伝えたいことがあります…!
だから、、、少しだけ、私に時間をくださいっ!!」
これが私の精一杯だった。
結局、気持ちを伝えるのを先に延ばしてしまった。
そんな精一杯に言葉を紡いだ私に先輩は
「ん、伝えてくれてありがとう、
エミちゃんの伝えたいこと楽しみにしてるね!
またね!エミちゃん、気をつけて帰ってね。」
って笑顔で私の頭を撫でてくれた。
顔が熱くなる、雪が降ってきたのに、寒いはずなのに。
私の体温は熱かった。


