「エミちゃん帰ろう!
サクラ来てほしくなかったみたいだし」
「なんで笑ってるんですか?」
「え?」
「辛いのに笑ってますよね?」
思わず言ってしまった… 後悔した。
「ほんとエミちゃんには敵わない…」
『わたしだって先輩には敵いませんよ。』
言えなかった。
「サクラは俺が厄介なんだよ。 」
「なんでですか?そんなことないと思いますよ。」
「エミちゃん、ありがとうね。元気でたきがする。」
どれほどサクラさんが大事なのか痛いほどわかった。
「エミちゃん、送っていくよ。」
「大丈夫ですよ?本当にすぐそこですし。」
「だーめ。エミちゃん可愛いんだから。危ないよ?」
エミちゃん可愛いんだから。
そんなこと言わないでよ。熱くなりますよ先輩。
「どうしたの?エミちゃん顔、真っ赤だよ?」
心の中で『この、天然たらし。』って呟いた。
「先輩のせいです。」
「え〜俺のせい!?!? もう暗いし送らせて。」
「ありがとうございます。」
「今日はエミちゃん、よく喋ってくれる嬉しいよ。」
『 』上手く喋れてるのかなあ。伝わっているのかな。
結局先輩に家まで送ってもらった。
「先輩っ!ほんとうに3年間おつかれさまでした!
陸上やめてもずっと応援してます。
お世話になりました!!」
「エミちゃんありがとう!!」
これがカイト先輩との最後の会話かなと思いながら玄関の扉をあけた。


