偽りの姫の手に堕ちた元姫は、最強男子達に寵愛される。

…さっきぶつかった女からも、星羅と同じ香りがしたんだよな…。

…優しくて、まるで包まれたようになる花の香り。

星羅に会いたい…。

あー…と廊下で項垂れる。

でも俺の事…知らないだろうしなぁ…。

あの時の俺は、完全防御だった。

パーカーに深く被った帽子。

多分、星羅は顔も見られてないだろう。

クラスの男が「俺、顔覚えてもらってた…!」と騒いでたが、俺は顔を見られてなかったから覚えられてるはずがない。

…でも

もし、また会えたなら…

「はじめまして、星羅。」

そう彼女の名前を呼んで、改めて

─仲良くなりたい。

「おいおい…
何廊下で項垂れてんの、日向。」

「うっさい女誑しの薫…」

「えっ何機嫌悪いの?」

機嫌悪い…っていうか…

「…興味…出た」

「何に?」

薫がどうしたの?と覗き込んでくる

…女たらしの癖に、面倒見良いんだよな…。

「星羅に似た子。」

「はぁっ!?
星羅がいた訳?!」

こいつも星羅のこと狙ってんの、忘れてた。

「違う」

「えっ…一体どういうこと?」

「…。」

「え、無視?」

…あの子の香水…今度あったら聞いとこ。