偽りの姫の手に堕ちた元姫は、最強男子達に寵愛される。

「…えっと…。」

この状況は、なんだろう…。

陽の手が、私の唇にあって…

腰に回された手

そして

辛そうな陽の瞳。

「…大丈夫…?」

陽に、なにかあったの…?

思わず聞くと、面を食らったような顔をしてすぐにははっと笑う陽。

「いや、俺は大丈夫だ。
お前は大丈夫か?」

「えっ…」

そういえば、私が泣いてそれを陽が慰めててくれたんだった…。

恥ずかしいな…。

陽には、何度も泣いた姿を見られて…。

子供っぽいって思われたかな…?

「…はい…。」

「なら良かった。」

優しく頭を撫でられる。

…本当に、優しい人だなぁ…。

絶対変なのに。

多分、陽にはSilvaとの関係もそろそろバレちゃったかもしれない。

…星羅とまでは辿り着かなくても、きっといつか…。

「…結杏。
俺、頑張るから」

「えっ?」

なんの事…?

でもきっと、陽ならなんでも出来ちゃうかもな。

「頑張ってね。
応援してる」

「ん。」

「…ていうか、ここは?」

「空き部屋。」

空き部屋にしては豪華すぎる気がするんだけど…

さっきからふたりで座ってるソファも、2人でも大き過ぎるくらいだし、ふかふか…。

それになんだか、既視感が…。

「…あれ、ちょっと待って。
陽…今何時…?」

「今?
あー…5時半過ぎ…か」

「嘘っ!」

もうそんなに時間経ってたの…!?

今日はお肉の特売日なのにっ…!

「陽、ごめんなさいっ…!
もう行くねっ!」

「っあ、おい!」

私は空き部屋? を飛び出して、スーパーへと向かった。