偽りの姫の手に堕ちた元姫は、最強男子達に寵愛される。

授業が終わり、駆くんとも分かれて家に帰る途中、道でスマホがプルルルルルル と鳴る

「…まさか…。」

スマホを開くと、知らない番号から来ていて予想とは違った事にひとまずほっ…とする。

「もしもし…?」

おそるおそる電話をONにすると、スマホ越しから『星羅っ…!』 と聞き覚えのある声が響く

この声はっ…蒼月っ…!?

メールアプリはブロックしたから、電話の方からかけてきてたんだっ…!

急いで切ろうとすると、『っ…どこ、いっちゃったのさ…』と泣きそうな声に思わず「えっ?」と声を漏らす

『…星羅、のこと…ずっと…っ…!
情報は入らないし、家も星羅…教えてくれなかったしっ…!』

…この電話の向こうは、本当に蒼月なの…?

蒼月はいつもかっこよくて、正義を貫く人。

私なんかの事で、なんでこんなに悲しそうに、泣いてるの…?

「…蒼月。」

『星羅…?』

「…っもう、電話はやめて。」

『…え?』

「電話だけじゃない。
連絡も、メールも全部っ…!
私はもう、姫じゃない。
みんなとは、もう…
─関わらないっ…!」

叫ぶように私はそう電話に伝える

『せ、いら…?』

戸惑うような声。

自分の思いも、未練もを引き剥がすように私は叫ぶ

「…っ私はもうっ…みんなの望んだ姫じゃないっ…!
仲間じゃないんだよ…っ?」

「だからっ…
…もう、終わりにしよ…?」

スマホに込める力が強くなり、思わず痛く感じる。

でも、

それ以上に

…辛くて、辛くて…心が、痛くてっ…。

『星っ…!』

ピッ

蒼月の声を遮るように、私は電話を切った。

「…っ…ごめん…ごめんなさいっ…」

涙を拭う為に、メガネを取る

…私には、なんで…こんな方法しかないのかなぁ…。

分かってる。

1年前、これが私の選んだ«運命»なんだってことも。

すると、後ろから誰かが近付いてきたことに気が付いた

「…大丈夫か?」

「…え?」

聞き覚えのある声

振り返ると

それは、

─私のあの雨の降り注ぐ辛い日に声を掛けてくれた、あの人でした。