ピンチの時にさっそうと現れたヒーローは、見た目以外は高スペック男子でした。

「……いったい、どんな顔だったの?」
「小国とはいえ何でも手に入るお姫様が固執する美貌だったんですよね? しかもウィズの口調だと、ウィズさえ受け入れれば身分差があってもどうにかなりそうな空気だったようですし……。そうとう?」
「なにそれ!すっごく気になる!!」

 コソコソとやり取りをする二人を、ウィズが不思議そうな顔で見ている。
 やがて、好奇心が抑えられなくなったアメリアが、ウィズに聞き取りを始めるのだが、でるわでるわ。

 産まれた時から愛らしい姿で、父親どころか正室までメロメロになり、平民側室の子だというのに取り合いになった、とか。

 騎士を生業にする家に生まれた男児だというのに、怪我をして傷が残っては大変と8歳になるまでろくに修練をつけてもらえず、最終的に許してもらえなければ傷をつけると小刀を振り回したことでようやく許可が下りた、とか。

 外に出すと争いのもとになると、王都どころか領地内もろくに出してもらえなかった、とか。
 成人して王家に仕える事になったのも、その美貌のみならず剣や魔術の優秀さが噂に噂を呼び王家の耳にまで入ったからだった。

「え?すごく可愛がられてる。それって、姿消した時すごく騒ぎになったんじゃない?」
「どうだろう?やっかみも多かったから、適当に誤魔化されたんじゃないだろうか?」
「いや、それ、絶対家族が抗議してるだろう?帰らなくとも、一度連絡を入れた方がいいんではないか?」

 三者三様に首を傾げる中、書類が整ったと戻ってきた執事はなにをしているのかと不審な目を向ける事となった。




 その後、呪いをとく方法が分かったり、息子の無事を聞いた当主が長男(長兄)を送り込んできたり、王家の我儘末姫が突撃してきたりするのは、また別の話。