「─愛してるよ、」
その一言を口から告げれば、彼女は驚いた顔をした。
自分を見上げたその表情は驚きに満ちていて、それすらも愛おしく感じて。
「愛してる、琳麗(リンレイ)」
─”もう二度”と、間違えない。
手を伸ばして、彼女を抱き寄せる。
言葉を繰り返すと、彼女の頬は赤く染まる。
「どっ、どうしたの?」
困惑顔。─それすらも可愛らしくて、愛おしい。
「素直に言っちゃだめか?」
「だ、だめじゃないけど……」
「愛してる」
求めれば、口付けをさせてくれる。
優しくて、甘くて、愛おしくて、1度諦めた幸せ。
「待っ、待って、待ってっ」
「ごめん、待てそうにない」
「っ、」
待ち望んだ。君が欲しくて仕方がなかった。
君と生きていく未来が欲しくて、だから、自分は抗い続けて、何度も何度も何度も何度も。
「愛してるんだ、琳麗」
縋るように、希う。
彼女は顔を赤くして、どうしたらいいのか分からないって顔をして、泣きそうな顔で、恥ずかしそうに。
「……わ、私も愛してるよ……ひとりにしないって、約束したでしょ?だから、大丈夫よ」
「ん……」
「ひとりにしない、ひとりにしないわ。ずっと一緒にいる。だから、そんな顔、しないで……っ」
君の身体が、崩れる。壊れる。燃える。
そんな未来を、何度も繰り返し見てきたんだ。
「……やっと、触れれる」
白く、柔らかい頬。
手を這わせると、彼女は擽ったそうに身を捩る。
「もう二度と、離さない」
─……その日から、三日三晩。
皇帝陛下が寵妃と閨から出てくることはなかった。

