「人生は早い者勝ちということですよ」 「早い者勝ち?」 「先に咲いたほうが感心を引くのです。強く心に残るのです。恋愛も同じようなものでしょう」 「……、」 それはまるで彼自身に言い聞かせているように。 「帰りましょうか」 「……はい」 私たちはそれ以上縮まらない距離を保ったまま、最初に出会った部屋まで戻った。 「結ばれぬ 縁も忘れぬ 幸あれと 次の誰かへ 笑顔で歩む」 「どうもありがとうございました。お互い過去の恋をどうにか成仏できるといいですね」 「はい」 長い1時間だった。