イケメンすぎる、君が好き。

昼休み。

購買へ向かう廊下は、生徒でごった返していた。

「わっ!」

誰かの声と同時に、大量のプリントが宙を舞った。


風に乗って、廊下いっぱいに散らばっていく。

「あぁ……っ!」

一年生の女子が泣きそうな顔で立ち尽くしている。

(あー、くっそ。

拾おうにもいろんなやつの足が邪魔で―――)

その時だった。

「みんな、ちょっとだけ道あけてもらえる?」

よく通る、落ち着いた声。

人混みの向こうから現れたのは、髪の毛をかきあげる葵だった。

「桐生くん!」

「王子だ!」

ざわっと人が左右へ分かれる。

葵はしゃがみ込み、散らばったプリントを一枚ずつ丁寧に集めていく。

その様子を見て、近くにいた男子も女子も、自然と一緒に拾い始めた。

「ありがとう。」

一人ひとりに、そう笑顔で声を掛けるものだから、

気付けば廊下中のプリントは、あっという間に拾い集められた。