「あの時の氷室様、カッコよかったよねぇ……」
「ねー!あんなイケメンなのに、来てないとか勿体ない……」
次の日。
私が学校へと登校してくると、近くの席の女の子たちがそんなことを話していた。
いつもなら、自分から一つの話題に食いつくことはないんだけど……
昨日、当の本人に会ったので…私は声をかけに行った。
「氷室くんに会ったの?」
突然そんなことを聞かれて、二人も驚いたみたい。
先程の会話を聞いていると、もしかしたら二人とも会ったんじゃないかなと思ったけど……
「え?会ってないけど…」
「もしかして、乃愛ちゃん会ったとか!?」
どうやら、先程話していた“あの時”は、入学式の話をしていたみたい。
私は「ううん」と、少しだけ罪悪感を感じながらも嘘をついた。放課後に教室に来ていたってことは、きっと知られたくなかったんだろうから。
「なーんだ…てか、氷室様と乃愛ちゃんって絶対お似合いだよね!」
「ね!絶対隣に並んだら“美男美女カップル”だって!」
び、美男美女カップルって…あはは……。
確かに氷室くんは、モデルさんみたいにかっこいい。
昨日会った時、昔と顔つきが大人っぽくなった…気がしたし。
でも私は、自分磨きできないタイプだから……。
「美女って言葉は二人の方が似合うよ…!」
二人はすごく可愛いし、人のところをたくさん褒めてあげれるところとか…性格まで満点だ。
「乃愛ちゃん優しすぎっ……」
「性格まで満点なのは乃愛ちゃんだってー!」
あ、朝から嬉しすぎる……!
忙しさによる疲労も飛んで行ってしまうかのように優しい声掛けで、温かい気持ちになる。
と、そんなところで…
「雪平、少しいいか?」
先生が、私に声をかけた。
少し驚いたけれど、断る意味もないので…私はこくりと頷く。
「じゃあ、二人ともまたね!」
私は二人に手を振り、教室を出ていった先生の後を追った。

