「…ひ、氷室くん?」
二年ほど見ていなくて、会うこともできない…なんて思ったばかりなのに。
流石の展開に驚いて、変な声を出してしまった…恥ずかしいっ……。
ただ、こんな偶然あるのか…って、思わず笑みが零れた。
でも…相手はそうもいかなかったみたいで。
「………」
氷室くんは、私を怪訝そうに睨んでいた。
その視線で察した。彼は…私を拒絶しているのだと。
ってことは…
無闇に関わることが、一番良くないよね。
「…失礼しました!」
私は彼に頭を下げてから、すぐさま教室をあとにした。
学校に来ていたこととか、驚いたことはあるけど…
人の嫌なことはしない。それが私のモットーだから。
「よし、今日は書類を提出して帰ろう!」
私は気持ちを切り替えて、誰もいない廊下を歩き職員室へと向かった。
「…何、あの人」
教室に一人残された彼が、そんなことを呟いていたとも知らずに。

