生徒会長は、今日も甘さで人を助ける。



この声は……



「…須賀也くん?」


「ん?なんで俺の名前知っとるん?」



氷室くんの後ろから姿を表したのは…やっぱり、私の予想通り須賀也くんだった。


須賀也(すがや)(とよ)くん。

私と氷室くんと同じ三年生で、ノリの良さと居るだけで楽しくなる太陽みたいな人…と、聞いた事がある。

そして…氷室くんと同じく、授業に出席していない。



そんな須賀也くんは、私をじーっと見つめたあと…思い出したかのように言った。



「あ、生徒会長か!」


「え!?そ、そうですけど……」



知られていることに、少し驚いた。

氷室くんは須賀也くんの言葉を聞いて「そうなの?」と、私同様に驚いていた。



「高嶺の花〜とか、もてはやされてる子やで」



もてはやされてる…とは違う気がするけど、彼にはそう見えてしまったんだろうな……。



「ま、なんで来たか知らんけど…とりあえず入ってや!」


「は?おい豊、なんで入れる……!」


「ええやろー?ここで話しとると、他の奴らにバレるかもしれんし」



須賀也くんはそう言うけど、氷室くんは明らかに嫌そうな顔をしている。

そんな様子を見て、私は口を開いた。



「別に、無理しなくて大丈夫ですよ…!私は帰りますね!」



私がそう言って頭を下げると、二人はきょとんとした顔で私を見つめた。



「……もしかしたら…」


「?」


「…いや、せっかく来たんやし!来た経緯だけでも聞かせてくれん?」



須賀也くんが、笑顔でそう言った。

受け入れてくれた…わけではないだろうし、むしろ警戒はされているだろうけど……。


私は、氷室くんの方にちらりと視線を向ける。



「……下手な真似したら、締め出す」



どうやら、入ってもいいみたいだ。

二人がこう言ってくれてるんだし…引き下がるのも申し訳ないから、私は教室に入らせてもらった。