…さて、どうしよう。
あんまり、立ち往生はしたくない。
盗み聞きしたいわけでもないし、なんなら少しくらい話してみたい。
かと言って、勝手に入ってしまえば相手を刺激する可能性がある。
「……ノック、しよう」
何分か考えて、絞り出したアイデアはこんなものたった。
でも、同時にこれが最適解だと思った。
もし嫌ならば、ノックされたとしても無視するだろうし…扉を開けるかの判断を、相手に任せられる。
「………」
開けてもらえるか、無視されるかは五分五分……というか、無視される可能性の方が高いと思う。
でもそうやって理由をつけて、逃げるのは違う。
どういう結果に転んでも…氷室くんと関わるというのを決めたのは私だから。
コンコンコン
私は意を決して、扉を三回…軽くノックした。

