夏と君 【完】

「サクナさーん。お客さんです。」



高校を卒業してから私は家業を継ぐ為に東京の美容専門学校へ進学した。
先にサナちゃんが同じ専門学校へ進学していたのでサナちゃんと2人暮らし。

卒業後は都内の着物屋さんへ就職して4年程修行をして、
25歳の時、地元へ帰ってきて家で働いている。


アヤトくんは地元の薬学部のある大学へ入学。

幼い頃からの夢である薬剤師になった。


7年間の遠距離恋愛を経て私が地元に帰ってきた25歳のとき結婚した。

私は27歳のときに双子のミオ、ミナの2人の女の子を出産して、
私たちはパパママに。


そして、私たちは30歳になった。



「はーい、今行きますー。」


従業員の松岡さんに呼ばれてお店へ出ると気づいた時から幼馴染のてるちゃん。



「あれ、てるちゃん、どうしたの?」


「これ、ミオ、ミナに。」と焼き菓子の入った紙袋を渡された。


「わあ!おいしそ!いつもありがとね!ちょっとまってて!」



高校卒業後、てるちゃんも家業のケーキ屋さんを継いだ。
今じゃもう立派なパティシエさん。



「アヤトくーん!てるちゃん!」


「えー、またてる〜?」



いつ間にかアヤトくんはてるちゃんのことを「上原」ではなく「てる」と
てるちゃんはアヤトくんのことを「高橋」ではなく「アヤト」と呼ぶ仲になっていた。



「アヤトじゃなくて、ミオ、ミナがいんだけど・・・」とボヤいたてるちゃんに


「残念でしたー。双子はじぃじと公園に行きました〜」とアヤトくんはおちゃらけながら言っていた。