夏と君 【完】



サクナと出会ったのは3歳の冬だった。

さくの家の隣に両親がケーキ屋を開業するために一軒家を建てた。




「こんにちは。隣に引っ越してきた上原です。」と開業したときに家族みんなで挨拶へ行ったのが初めての出会いだった。


「あら、どうもご丁寧にすみません。あれ、うちの子と同い年くらいかしら?
お名前なんていうの?」


「うえはら、てる。3さい。」


「てるくん!うちの子と同い年だわ。ちょっと待っててね。」とさくを連れてきた。

「さくちゃん、お隣に今日から住む上原さん。てるくん同じ年なんだってよ?
ほら、みなさんにご挨拶して?」

「こんにちは、サクナ、もうすぐ3歳になるんだー。てるちゃんと一緒だね!」



初めて出会った時から人懐っこくてこの時からオレはてるちゃんと呼ばれていた。

今思えばそんな人懐っこい笑顔に惹かれたのかもしれない。





幼馴染で隣にいるのが心地よかったオレはさくへの気持ちに気づかないふりをしていた。



ひまや早坂に何度も「さくのことが好きでしょ?」と指摘されても、
この関係が終わるのが嫌でいつも誤魔化していた。





ある日突然さくの口から初めてでた「アヤトくん」という男の名前。

正直焦った。



「アヤトくん」の話をするさくの目はキラキラしていて、
直感的に、あぁ。多分、彼のことが好きなんだろうな。と思った。