「ねえ、ひま先輩。協力しない?」
俺は中学の先輩であり、さくちゃんとてるの幼馴染でもあるひま先輩を放課後のファミレスに呼び出した。
「早坂くん、何企んでるの?」
別に企んでいない俺にひま先輩は怪しげな顔をしながらそう言った。
「俺ね、今はさくちゃんの友達が好きなの。」
「へ~、ミウナちゃんだっけ?チャラい早坂くんに好かれちゃって可哀想に。」と俺のことを憐れみ顔でみる。
「えー、ひどーい。せんぱーい。俺、もう遊んでる女の子の連絡先ないよー。」
「まじ??早坂くん本気??」
「本気だもーん。」
「夏祭り、ほんとうに先輩くるの?」
「行くよ、まず、アヤトくんのことみてみたいでしょ。」
「それは口実で、てるが来るからでしょ?」と返すと図星と言わんばかりの顔。
「図星でしょ?」
「うん。早坂くんって生意気な後輩だよねー。」
「はは。知ってる。生意気でしょ?」
「ムカつくー。」
ひま先輩はずっとてるのことが好きで、でもてるはずっとさくちゃんが好き。
でもさくちゃんはアヤトのことが好きで・・・
恋の矢印は綺麗に一方通行で、しかもここの幼馴染たち全員鈍感だし。

