《Side 月葵》
「お前らは出来損ないだ。会社から言われているからこの立ち位置にいるが、俺はお前たちに期待していない。諦めたらさっさとやめろ」
LUXEONを4人で決しした次の年。
大きな音楽会社からプロデューサーが寄越され、メンバーは全員期待していた。
デビューに一歩近づいた、と。
しかし、来たプロデューサーは開口一番にそう言い、面倒くさそうにスマホを触り始めた。
「え・・・で、でもプロデューサー・・・」
「うるさいな、まさかほんとにデビューできるとでも思ってるのか?はっ、いいか、この世界で生き残れるのは才能がある奴だけだ」
才能。
そんなもの、自分が持っていないことくらいわかっている。
それでも、努力を重ねれば結果が出るものだと・・・そう、思ってアイドルを目指したのに。
「あぁ、適当に名札でも作って服に貼っとけ。まぁ、すぐにお役御免になるだろうがな」
そう言ってプロデューサーが俺たちの足元に投げたのは、一枚の紙。
それを拾い上げると、それが名詞だということがわかった。
「・・・中岡さん・・・」
「あ?」
名刺には世界的にも有名な音楽会社の名前と、『中岡恵太』と書かれている。
「よ、よろしくお願いします!リーダーの双葉・・・」
「うるせぇよ」
「・・・え」
冬貴が無理した笑みを貼り付けて自己紹介をしようとすると、プロデューサーはチラリとこちらを見た後、またスマホに視線を落として苛立った声を向けてきた。
「売れないお前らを覚える気はない。・・・ったく、今回のグループもハズレかよ」
「・・・はずれ」
「・・・なんか言ったか?」
「・・・いえ」
ハズレ?俺たちが?
確かにファンもいないし、一応マネージャーはいるけど仕事はしないし、ダンスだって誰かに教えてもらってるわけでもないし、『本番』と呼ばれるものにも立ったことはないけど。
それでも、全員努力をしてきた。
それを会って数分の奴に『ハズレ』と言われるなんて・・・。
無意識に顔が険しくなってたんだろう。
「・・・月葵、一回抑えろ」
隣に来たお絹が小さな声でそう囁き、真面目に太いテープにマジックペンで名前を書いて名札を作り始めた。
「はい、お前の」
「・・・ありがとう」
メンバー全員分を作ってくれたらしく、呆然と立っていた俺たちに名札を配ってくれる。
その間もプロデューサーはスマホを見て何かを操作しては舌打ちし、鬱陶しそうにこちらを睨めつける。
まぁ、こんな奴すぐにいなくなるだろう。
そうしたら俺たちは、今度こそ自分たちの力で売れて見返してやる。
そう、思っていたのに・・・。
「はぁ、さっさと諦めろよ。俺も暇じゃないんだわ」
4年経ってもプロデューサーが外れることはなく、その上ダンス経験がないこたちゃん(プロデューサー就任2年後に加入した)に暴力を振るうようになった。
そのたびに冬貴がかばい、冬貴の体には日々あざが増えていく。
それでも夢を諦められない哀れな俺たちはプロデューサーに従い続け・・・。
そんな、ある日のことだった。
「お前らは出来損ないだ。会社から言われているからこの立ち位置にいるが、俺はお前たちに期待していない。諦めたらさっさとやめろ」
LUXEONを4人で決しした次の年。
大きな音楽会社からプロデューサーが寄越され、メンバーは全員期待していた。
デビューに一歩近づいた、と。
しかし、来たプロデューサーは開口一番にそう言い、面倒くさそうにスマホを触り始めた。
「え・・・で、でもプロデューサー・・・」
「うるさいな、まさかほんとにデビューできるとでも思ってるのか?はっ、いいか、この世界で生き残れるのは才能がある奴だけだ」
才能。
そんなもの、自分が持っていないことくらいわかっている。
それでも、努力を重ねれば結果が出るものだと・・・そう、思ってアイドルを目指したのに。
「あぁ、適当に名札でも作って服に貼っとけ。まぁ、すぐにお役御免になるだろうがな」
そう言ってプロデューサーが俺たちの足元に投げたのは、一枚の紙。
それを拾い上げると、それが名詞だということがわかった。
「・・・中岡さん・・・」
「あ?」
名刺には世界的にも有名な音楽会社の名前と、『中岡恵太』と書かれている。
「よ、よろしくお願いします!リーダーの双葉・・・」
「うるせぇよ」
「・・・え」
冬貴が無理した笑みを貼り付けて自己紹介をしようとすると、プロデューサーはチラリとこちらを見た後、またスマホに視線を落として苛立った声を向けてきた。
「売れないお前らを覚える気はない。・・・ったく、今回のグループもハズレかよ」
「・・・はずれ」
「・・・なんか言ったか?」
「・・・いえ」
ハズレ?俺たちが?
確かにファンもいないし、一応マネージャーはいるけど仕事はしないし、ダンスだって誰かに教えてもらってるわけでもないし、『本番』と呼ばれるものにも立ったことはないけど。
それでも、全員努力をしてきた。
それを会って数分の奴に『ハズレ』と言われるなんて・・・。
無意識に顔が険しくなってたんだろう。
「・・・月葵、一回抑えろ」
隣に来たお絹が小さな声でそう囁き、真面目に太いテープにマジックペンで名前を書いて名札を作り始めた。
「はい、お前の」
「・・・ありがとう」
メンバー全員分を作ってくれたらしく、呆然と立っていた俺たちに名札を配ってくれる。
その間もプロデューサーはスマホを見て何かを操作しては舌打ちし、鬱陶しそうにこちらを睨めつける。
まぁ、こんな奴すぐにいなくなるだろう。
そうしたら俺たちは、今度こそ自分たちの力で売れて見返してやる。
そう、思っていたのに・・・。
「はぁ、さっさと諦めろよ。俺も暇じゃないんだわ」
4年経ってもプロデューサーが外れることはなく、その上ダンス経験がないこたちゃん(プロデューサー就任2年後に加入した)に暴力を振るうようになった。
そのたびに冬貴がかばい、冬貴の体には日々あざが増えていく。
それでも夢を諦められない哀れな俺たちはプロデューサーに従い続け・・・。
そんな、ある日のことだった。


