誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

その夜。
誰もいなくなった静かな執務室で、アルフレッドは一人、チェス盤を見つめていた。
「誰も愛さない……ただ完璧な均衡(駒)として集めたはずだった……」
アルフレッドの頭に浮かぶのは、自分を命懸けで守ろうとした十人の姿だった。
毒殺の命を拒んで泣き崩れたオリヴィア。
身を挺して実家と決別したグレース。
財力を惜しみなく差し出したクロエ。
剣を振るい続けたブリジット……。
(彼女たちは……ただの駒などではない。私の作った冷徹なシステムを超えて、自らの意思で私とこの国を守ってくれた……)
アルフレッドの手が、微かに震える。
絶対の冷血を誓い、誰も愛さないと心に鍵をかけていた氷の王の胸の奥で、カチリと温かな音が鳴り響いた。
それは愛という弱さではなく――共に死線を潜り抜けた者たちへの、絶対の「敬意」と「信頼」という名の絆であった。