誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

「前王の隠し子……ギルバートだと?」

執務室で報告を受けたアルフレッドは、冷ややかに目を細めた。

ギルバート派の狙いは明白だった。

血統の正当性を盾にして世論を煽り、アルフレッドの「十人側室制」に不満を持つ貴族たちを一気に集結させることだ。

さらに悪質なことに、ギルバート派は後宮にいる十人の側室たちの「実家」へ、執拗な接触を開始していた。

「ハミルトン公爵家が……ギルバート側に傾いている?」

第4側室グレースの実家であるハミルトン公爵家は、アルフレッドによって「正妃の座」を奪われた恨みから、真っ先にギルバート派へと密かに寝返る動きを見せ始めた。

「ハミルトンだけではない。他の貴族たちも『どちらが勝つか』を見極めようと日和見(ひよりみ)を決め込んでいる。このままでは後宮の均衡が崩れるぞ」

セシルからの極秘報告に、アルフレッドはチェス盤の駒を握りつぶしそうなほど固く拳を握りしめた。

ギルバート派の影は、側室たちの実家を侵食し、後宮の内部からアルフレッドの「絶対防壁」を瓦解させようと迫っていた。

氷の王アルフレッドと、隠し子ギルバート。

王国の命運をかけた、血と欲望の第二の戦いが始まろうとしていた。