誰も愛さない天才王の覚醒 〜俺が新・王? 両親が命懸けで守ってくれた国なので、十人の最強の寵妃と完璧に経営してみせます〜

十人の結束が固まりつつあったクインテラ王国に、突如として真冬の嵐のような衝撃が走り抜けた。

王都の正門に、豪華な馬車の一列が姿を現す。

引き連れているのは、王家の紋章を微妙に模した旗を掲げる一団だった。

馬車から降り立ったのは、20歳ほどの華やかな青年。

黄金の髪に、どこか先王レオンハルトの面影を残す整った容姿――彼の名はギルバート。

「久しいな、我が故郷クインテラよ!」

ギルバートは王宮を見上げ、大口を開けて笑った。

彼は先王レオンハルトが若かりし頃、後宮の外で産ませたと主張する「隠し子」であった。

長年、隣国で庇護されていたが、アルフレッドの新法に激怒した国内の不満派貴族たちの手引きにより、このタイミングで帰国を果たしたのだ。

「新王アルフレッドは平民の血を引く不浄の子であり、さらに『十人側室制』などという不吉な愚法で国を乱している!」

王宮の謁見の間に乗り込んできたギルバートは、堂々と血統書を掲げて言い放った。

「正当なる王家の血を引くこの私、ギルバート・クインテラこそが、真の王位継承者である! アルフレッド、ただちにその玉座を私に
譲れ!」

背後には、彼を擁立する大貴族たちが勢揃いしていた。

冷徹な氷の王アルフレッドの政権を揺るがす、最大の政治的危機が幕を開けた。