目立ちたくない地味子ちゃんは、冷徹会長に遊ばれて。

キーンと耳に響く蝉の声。


クーラーの効いた自分の部屋で、私はアイスを頬張る。

夏休みに入って一週間。

今日は、役員が私の家に集まって、資料の読み込み作業。

生徒会室でも良いのだけれど、今は清掃が入っているから……。



ピコン、とスマホが鳴った。


西園寺くんからの短いメッセージ。


『今から行く』

わ、ほんとに来るんだ……!
家に人を招くことも久しぶりで、少しだけ緊張。


部屋の片付けをしていると、インターホンからチャイムが鳴る。

玄関を開けると、そこには黒いTシャツ姿の優が立っていた。

「いらっしゃい、西園寺くん」
「……」

黙りこくる西園寺くん。何かおかしい。


「ど、どうかした?」


「どうかしたもなにも、つむぎ、本当につむぎか?」

え?と思い、全身鏡に視線を滑らせた。
……特に変わったところはない、けど

「いますぐメガネをつけろ。早く」
「へ?メガネ……」

そんなにメガネをつけないといけないの?
棚からメガネを取り出すと、そっと耳にかける。

「はい、つけました」
「ほんの少しはマシになったか……」

ぼそぼそつぶやく西園寺くん。

「あ、中入っていいよ、暑いでしょ」

「お邪魔します」