目立ちたくない地味子ちゃんは、冷徹会長に遊ばれて。

「佐藤さん、これ、今日の放課後までにノートにまとめておいてくれない?」


「あ、うん。いいよ。やっておくね」


昼休みの教室。



クラスの女子から押し付けられた分厚い資料を受け取り、私はいつものように愛想笑いを浮かべた。 



私は、高校では目立たない『便利屋』として生きると決めている。

中学時代に味わったあの気持ち。全ては、私が迷惑をかけてしまっていたことだった。
だから、もう誰も頼らない。

他人の役に立つだけのロボットになれば、嫌われて追い出されることもないから。

耳を隠すように結んだ黒髪と、顔の半分を覆うような大きな黒縁眼鏡が、私の完璧な防護服だった。