[陽菜視点]
みんなは私のことを「太陽みたいに明るい陽菜」って呼ぶ。
だけどね、私は最初からそんなに綺麗で眩しい人間じゃない。
高校1年の春、私は雨の図書室で、静かに本を読んでいる佐倉遥斗くんに一目惚れした。
クールで、一途な目をしていて、私の憧れのすべてを詰め込んだような男の子。
彼にどうしても振り向いてほしくて、私は「みんなの太陽」を演じ始めたの。彼が好むような、明るくて誰からも愛される女の子に。
だけど、どうしても計算外だったのが、水瀬詩織の存在。
あいつは、いつも私の隣で「不器用で可愛い被害者」の顔をしていた。
直接喋れないからって、スマホの画面に逃げて。
私の大好きな遥斗くんと、毎日まいにち、楽しそうに文字を交わして。
「詩織はシャイだから。応援してあげなきゃ」
そう口では言いながら、私の心の中の黒いドロドロした塊は、日に日に大きくなっていった。
「詩織、どうして言わなかったのよ……っ!」
歩道橋の上で、私は泣きそうな顔をして詩織の肩を掴んだ。
自分を押し殺して、私に遥斗くんを譲ろうとする健気な大親友。そんなの、全部あいつの自己満足でしかないのに。
「私、遥斗くんから告白されたの。でも、断るよ。だって、遥斗くんが本当に向き合うべきなのは、詩織、あんたでしょ?」
私は必死に、優しくて友達想いな「陽菜」の仮面を被り直して、詩織を説得した。
私の必死の訴えに、詩織はぽろぽろと涙を流して、「陽菜、ありがとう……ごめんなさい……」って私に抱きついてきた。
私の肩を濡らす、詩織の涙。
心底、反吐が出るほど汚らわしいと思った。
ねえ、どうしてあんたみたいな日陰者が、遥斗くんの特別になれるの?
どうして、私の大好きな人の初めての「特別」が、あんたなの?
――だったら、もう。
私の世界から、消えてもらうしかないよね。
みんなは私のことを「太陽みたいに明るい陽菜」って呼ぶ。
だけどね、私は最初からそんなに綺麗で眩しい人間じゃない。
高校1年の春、私は雨の図書室で、静かに本を読んでいる佐倉遥斗くんに一目惚れした。
クールで、一途な目をしていて、私の憧れのすべてを詰め込んだような男の子。
彼にどうしても振り向いてほしくて、私は「みんなの太陽」を演じ始めたの。彼が好むような、明るくて誰からも愛される女の子に。
だけど、どうしても計算外だったのが、水瀬詩織の存在。
あいつは、いつも私の隣で「不器用で可愛い被害者」の顔をしていた。
直接喋れないからって、スマホの画面に逃げて。
私の大好きな遥斗くんと、毎日まいにち、楽しそうに文字を交わして。
「詩織はシャイだから。応援してあげなきゃ」
そう口では言いながら、私の心の中の黒いドロドロした塊は、日に日に大きくなっていった。
「詩織、どうして言わなかったのよ……っ!」
歩道橋の上で、私は泣きそうな顔をして詩織の肩を掴んだ。
自分を押し殺して、私に遥斗くんを譲ろうとする健気な大親友。そんなの、全部あいつの自己満足でしかないのに。
「私、遥斗くんから告白されたの。でも、断るよ。だって、遥斗くんが本当に向き合うべきなのは、詩織、あんたでしょ?」
私は必死に、優しくて友達想いな「陽菜」の仮面を被り直して、詩織を説得した。
私の必死の訴えに、詩織はぽろぽろと涙を流して、「陽菜、ありがとう……ごめんなさい……」って私に抱きついてきた。
私の肩を濡らす、詩織の涙。
心底、反吐が出るほど汚らわしいと思った。
ねえ、どうしてあんたみたいな日陰者が、遥斗くんの特別になれるの?
どうして、私の大好きな人の初めての「特別」が、あんたなの?
――だったら、もう。
私の世界から、消えてもらうしかないよね。



