嫌われ者、No.1目指して努力中!

〘 side雅〙

「…」

如月 結音。

俺達生徒会会計の速水流唯と同じクラス。

今までは気にしたこともないし、容姿は良いらしいが特に気にも止めなかった。

─あの瞬間までは

『私はこの学園のNo.1を手にすることを、ここに宣言します!』

No.1?

この翠蘭学園でその称号を手にした者はまだ居ない。

生徒会長として長年務めてきた俺でさえ、手にすることの出来ない王者の椅子。

それをあの今まで目立ちもしなかった女が?

驚いたが、それと同時に度胸試しでやったであろうその宣言を後悔させてやりたくなった。

「No.1、だと?
…試してやる」

そこで俺達はあいつのクラスへ行き、生徒会室へ呼び出した。

正直普通の女と変わりがなく、ため息が着いた。

俺は理由を聞いた

度胸試し などとぬかしたら、俺はこいつを殴る

そう思って返ってきた返答は、予想外だった。

「何故だ」

…何故…。

「自分を変えるためです。」

「…自分を、変える?」

何を言ってるんだ、こいつは。

「私は今での自分が嫌いです。
好んだことなんてありません。
だから…
─自分を好きになる為に、変える為に。
あの宣言をしました。」

きっとその言葉には、嘘偽りはないんだろう。

目に一切曇りがない

「…自分を、好きに…変える為…。」

後ろから繰り返す言葉が聞こえてきて横目で聞き返す

「遥?」

「あ、いやなんでもないよ。」

また貼り付けたような笑みにもどる

こいつは放っておくか。

「…ともかくだ。
単刀直入に言おう
─君がNo.1になることは無い。
絶対に。」

これだけ言えばいいだろう…。

「うわ〜雅いきなりキツ〜っきゃははっ!」

「…単刀直入過ぎだろ。」

後ろで茶化す声が聞こえる

「何故ですか?」

それでも落ち着いて返される返答。

それに苛立ちが生まれる

「君がNo.1とか、馬鹿げてんの?って意味だけど?」

そいつに対しての怒りの言葉は、俺の中から次々に出てきた。

言葉を言い終わった瞬間、そいつの顔は変わらなかった。

少し、驚いた顔をしただけで。

それから俺はそいつを追い出した。

これでもういいだろう。

No.1を目指すやつなんて、居なくていい。

そんな俺の考えを、そいつは軽々と超えてきた。