「…どう、だった?」
演技が終わり、おそるおそるといったように私の方へ近付く彼ら
「…凄いですっ…!!」
「「「!」」」
「まず、翔也さんの演劇に目を惹かれましたっ…!
喋り方、間のとり方もリアルで本当にその場の出来事を見ているようでっ…!」
「鳴海くんのBGM…っていうんでしょうか、切なく説得するシーンがその音楽の雰囲気に包み込まれるというか…
静かに包み込むようなっ…!」
「響ちゃんの照明のタイミングもすごく良かったです!
光の当たるタイミング、位置、段々と消えていく光…
暗いシーンを更に引き立たせるというかっ…!」
私は、口から言えるだけの感想を沢山伝えた。
そしてすぐ、彼らがポカーンとした顔をしているのに気が付き思わず血の気が引く
…私、またなにかやっちゃったっ…?
「…そんなの、言われたこと無かった。」
「えっ?」
「…俺たちはこの劇を自分たちの中では評価できた。
でも、この評価を他の奴らにして貰えることはなかった。」
「それが大会やコンクールの棄権 の理由ですか…?」
「…うん。
私たち、他の場所でだと劇…できないんだよね」
「できない…?」
「なんていうか、いつものように出来ないっていうか…」
「…絶対必ず不備が起こるんだ。
練習では起きないんだが、緊張からか照明が付かなかったり、キーボードが壊れたり…」
「…悪質な嫌がらせ、とも取れるし…
俺たちが" 演劇をするな "と言われてるようで…
ずっと、棄権になった。」
…そんなことが、あったんだ…。
だから、彼らは棄権した…
「…お話してくださって、ありがとうございます。」
それは、確かに『不安』だ。
「じゃあ、劇の発表をしないのは…」
「こんな不備だらけで生徒の人に見せらんないだろ。
それに…、飽きれられたくないんだよ。」
その表情は悲痛だった
まるで、その経験を何度もしてきたかのような…
…どうにか、彼らのその原因を突き止められないかな…
練習以外で必ず不備なんて…そんなの、偶然とは…
「…」
「?」
響ちゃんが私をじっ…と見ていた
「どうかした?」
「あっ…いや…
…こんな事言うのもあれだけど…
…信じてくれないでしょ、普通」
そう…かな
「私は、皆さんが嘘をつくとは思えないから。」
「…!」
そう笑いかけると、響ちゃんの目がきらっ と輝いた。
「そっか…」
嬉しそうな響ちゃん。
さっきまでの明るい響ちゃんも、きっとずっと不安だったんだろう。
安堵したような表情に、私も胸が暖かくなる
「そして」
私は切り替えるように、彼らの方向へ体、視線を向けた
「私は、演劇部を廃部にするべきではないと判断しました。」
「「「!」」」
「それって…」
「ですが。
私だけの判断では、この決定は変わりません。」
「…じゃあ、どうしたら…」
「対策を練ります。
だから…
─少しだけ、私に時間をください。」
「「「!」」」
「…お前を信じる」
そう差し出された手を、私も握り返す
この日の出来事が
後々、学園に大きな風を吹かせることを。
私は知らなかった─
演技が終わり、おそるおそるといったように私の方へ近付く彼ら
「…凄いですっ…!!」
「「「!」」」
「まず、翔也さんの演劇に目を惹かれましたっ…!
喋り方、間のとり方もリアルで本当にその場の出来事を見ているようでっ…!」
「鳴海くんのBGM…っていうんでしょうか、切なく説得するシーンがその音楽の雰囲気に包み込まれるというか…
静かに包み込むようなっ…!」
「響ちゃんの照明のタイミングもすごく良かったです!
光の当たるタイミング、位置、段々と消えていく光…
暗いシーンを更に引き立たせるというかっ…!」
私は、口から言えるだけの感想を沢山伝えた。
そしてすぐ、彼らがポカーンとした顔をしているのに気が付き思わず血の気が引く
…私、またなにかやっちゃったっ…?
「…そんなの、言われたこと無かった。」
「えっ?」
「…俺たちはこの劇を自分たちの中では評価できた。
でも、この評価を他の奴らにして貰えることはなかった。」
「それが大会やコンクールの棄権 の理由ですか…?」
「…うん。
私たち、他の場所でだと劇…できないんだよね」
「できない…?」
「なんていうか、いつものように出来ないっていうか…」
「…絶対必ず不備が起こるんだ。
練習では起きないんだが、緊張からか照明が付かなかったり、キーボードが壊れたり…」
「…悪質な嫌がらせ、とも取れるし…
俺たちが" 演劇をするな "と言われてるようで…
ずっと、棄権になった。」
…そんなことが、あったんだ…。
だから、彼らは棄権した…
「…お話してくださって、ありがとうございます。」
それは、確かに『不安』だ。
「じゃあ、劇の発表をしないのは…」
「こんな不備だらけで生徒の人に見せらんないだろ。
それに…、飽きれられたくないんだよ。」
その表情は悲痛だった
まるで、その経験を何度もしてきたかのような…
…どうにか、彼らのその原因を突き止められないかな…
練習以外で必ず不備なんて…そんなの、偶然とは…
「…」
「?」
響ちゃんが私をじっ…と見ていた
「どうかした?」
「あっ…いや…
…こんな事言うのもあれだけど…
…信じてくれないでしょ、普通」
そう…かな
「私は、皆さんが嘘をつくとは思えないから。」
「…!」
そう笑いかけると、響ちゃんの目がきらっ と輝いた。
「そっか…」
嬉しそうな響ちゃん。
さっきまでの明るい響ちゃんも、きっとずっと不安だったんだろう。
安堵したような表情に、私も胸が暖かくなる
「そして」
私は切り替えるように、彼らの方向へ体、視線を向けた
「私は、演劇部を廃部にするべきではないと判断しました。」
「「「!」」」
「それって…」
「ですが。
私だけの判断では、この決定は変わりません。」
「…じゃあ、どうしたら…」
「対策を練ります。
だから…
─少しだけ、私に時間をください。」
「「「!」」」
「…お前を信じる」
そう差し出された手を、私も握り返す
この日の出来事が
後々、学園に大きな風を吹かせることを。
私は知らなかった─



