嫌われ者、No.1目指して努力中!

「「…。」」

さっきは勢いでお茶を渡せたから話せたけど…ちょっと気まずい…。

すると、前から1人の男子生徒が飛び出してきた

「あ!
瀬戸ーっ!」

「あ、佐々木くん」

「この前はありがとな!
瀬戸が教えてくれたお陰でテストめっちゃ良かったんだよ!」

「ふふっそれは良かった。」

「あ、瀬戸くーんっ!」

瞬く間に瀬戸さんの周りは人で囲まれる。

…初めて会った時の" 瀬戸さん "だけど、きっと沢山の人から信頼されてるんだろうな…。

努力。か…

暫く人に囲まれ、数十分後にやっと人が減って言った

「…瀬戸さん、人気者ですねっ」

「…この仮面を被ってれば、みんな寄ってくるだけだ。
それに、こんなのは本当のカリスマ性なんかじゃない。」

カリスマ性…。

それは、No.1になる為に大きな影響を与えるものとされているらしい。

「…でも皆さん、瀬戸さんの事を心から好きって感じでしたけど。」

「そんな訳…」

瀬戸さん、まさか、気が付いてないの…?

「瀬戸さんの事、好きじゃない訳ないじゃないですか。
あんなに慕われてるのにっ…!」

「だからあれは、俺の振りまいた適当な愛想に勝手に好き勝手言ってるだけで…」

この人はっ…!

私は怒りに身を任せ、隣から彼の前に立つ

「その振りまいた愛想っていうのも、No.1になる為に必要なことでしょう!?
みんなに慕われてるって自覚、持ってください!」

あの笑顔を見て、すぐに分かった。

あの人たちはきっと、瀬戸さんを信頼している。

例えあの人達が見た瀬戸さんが、本当の瀬戸さんじゃなくても。

どっちも" 瀬戸さん "なんだから。

私は彼の目を見て、そんな意志を持って伝えた。