「……おい陽菜。あとこれだ、この『ミニゲーム』ってやつも追加しろ」
少し動揺した様子の朔先輩がメニュー表を指差したのは、『メイドとじゃんけん勝負! ご主人様が勝ったらツーショットチェキ撮影!』というオプションメニューだった。
「じゃんけんですね! わかりました、いきますよ……最初はグー、じゃんけん、ぽんっ!」
私は元気よく『パー』を出した。
しかし、朔先輩は涼しい顔で『チョキ』を出している。
……あれ?
もう一回やっても、また朔先輩の勝ち。
3回勝負だったのに、私は全敗してしまった。
「……ふん。お前が何を出すかなんて、顔を見れば一瞬でわかる。俺の完全勝利だな」
「うぅ……っ。朔先輩、絶対私の顔見て心を読んでますよね……! わかりました、チェキの撮影ですね。ポーズはどうしますか?」
私がクラスメイトからチェキカメラを受け取って隣に並ぶと、朔先輩は強引に私の腰をグイッと引き寄せた。
密着する肩と肩。
先輩の大きな手が私の腰をホールドし、顔が触れ合うほどの至近距離になる。
「ポーズはこれだ。ほら、前向いて笑え、俺の専属メイド」
カシャッ!
フラッシュが焚かれ、浮かび上がった小さな写真には、驚いて目を丸くしている私と、私の腰を抱き寄せて余裕たっぷりに微笑む朔先輩の姿がバッチリ写っていた。
「……よし。このチェキは俺のスマホケースの裏に入れておくからな」
「そ、そんなの絶対ダメです! 他の人に見られたらどうするんですかーっ!」


