他愛のない会話に花を咲かせながら、私は心の中でじんわりと温かいものを感じていた。
この学園に入学したばかりの頃、私は庶民の特待生として、どこか周囲から浮いているような気がしていた。
エリートやお金持ちばかりの学校で、無意識に壁を作っていたのは私の方だったのかもしれない。
でも、今は違う。
クラスのみんなはもちろん、あの!SSSクラスの三人だって、私の意見を真っ直ぐに聞いてくれて、対等に笑い合ってくれる。
「あーっ! 女子たちちょっと来てー! 衣装係から、メイド服のサンプルが仕上がったよ!」
教室の前方から、衣装係のリーダーの女の子が大きな段ボールを抱えて叫んだ。
途端に「見せて見せて!」「うわっ、めっちゃ可愛い!」と女子たちが群がっていく。
「陽菜ちゃん! これ、陽菜ちゃんのサイズだよ~。ちょっと羽織ってみて!」
「えっ、わ、私!?」
渡されたのは、落ち着いたネイビーブルーのワンピースに、真っ白なフリルのエプロン。
布地は決して高級なものではないけれど、リボンの位置やレースのあしらいなど、衣装係のみんなが徹夜でデザインを考えてくれた愛情がたっぷり詰まっている。
制服の上からエプロンをつけてもらい、カチューシャを乗せられると、教室中から「おお〜っ!」と歓声が上がった。


