「蓮の言う通りだよ〜。うちのクラス、今年はすごいパフォーマーとか高級ホテルのシェフとか呼んじゃうみたいだし。普通コースの出し物じゃ、α組には太刀打ちできないんじゃない?」
藍里先輩がソファーの背もたれからひょっこり顔を出し、私の頭をポンポンと撫でる。
「……まぁ、そういうことだ。お前は適当に手を抜いて、当日になったら俺たちのα組の模擬店に遊びに来い。俺が直々にエスコートしてやる」
朔先輩が、まるで「負け戦なんだから無理するな」と言わんばかりに、余裕たっぷりの絶対君主の笑みを浮かべた。
(むむむ……っ! たしかに先輩たちのα組はすごいの出店してきそうけど、最初から負けるって決めつけられるのは悔しい……っ!)
私は企画書をバンッとテーブルに置き、勢いよく立ち上がった。
「……行きませんっ!」
「あ?」
「エスコートはお断りです! たしかにα組は、文武両道だし皆さんお金持ちですごいですけど……私たち1年A組だって、みんなで知恵を絞って頑張ってるんです!」
私がビシッと朔先輩たちを指差すと、3人は目を丸くした。
「だから! この聖ステラ祭の期間中、私は先輩たちのお世話係をお休みします! もう理事長先生にも許可貰ってますから! 1年A組の生徒として、特別選抜α組の先輩たちに……本気のライバル宣言です!!」
しん、と静まり返るリビング。
(や、やっちゃった……! いくらなんでも学園の絶対君主に喧嘩を売るなんて……!)


