「……陽菜。お前、ほんと良い匂いすんな」
不意に、ドライヤーの音が止まった。
背中にピタッと広い胸板がくっつき、先輩の顔が私の首筋にうずめられる。
「せ、先輩……っ!」
「……うるさい。ちょっと黙ってろ」
私の肩に顎を乗せたまま、朔先輩の腕が私の腰にするりと回され、背後からギュッと抱きしめられた。
耳元に当たる先輩の温かい吐息。背中から伝わる、トクトクという力強い心音。
「俺がお世話係の間は、お前は俺だけのものだ。……他の奴に、こんな無防備な姿見せるなよ」
「っ……はい……」
甘くて、少し独占欲の混じった囁きに、私の頭は完全に沸騰中。
「――ちょっと待ったぁぁぁ!! 朔、お前何こっそり抜け駆けしてんの!?」
「あ? このくらいの時間だろと思って来てみれば……朔、お前そこ代われ」
突然リビングの扉がバンッと開き、パジャマ姿の藍里先輩と蓮先輩が飛び込んできた!
「チッ……うるさい野郎共が来たな」
「うるさいってなんだよ~! 僕も陽菜ちゃんの髪乾かすー! ブラッシングは僕の係!」
「俺はマッサージしてやるよ。ほら陽菜、こっち来い」
結局その夜は、3人のイケメン先輩たちに囲まれながら、全身をピカピカに甘やかされるという、トリミングサロンのわんこ状態。
仲良くなれたのは嬉しいけど、なんか違うー!
「えええええっ!? み、みんな引っ張らないでくださいーっ!」


