SSSクラスの落ちこぼれ 〜超エリート男子たちの専属お世話係になりました〜


「ただいまー。あー疲れた。今日も女子たちに囲まれて大変だったわ……って、あれ?」

入ってきたのは、サラリとした茶髪に抜群のスタイルを持つ男の子。
神楽木(かぐらぎ)蓮(れん)先輩だ。
学校では『全女子の恋人』と呼ばれるほどのチャラ系モテ男。
さらに、その後ろから小柄な美少年がひょっこりと顔を出した。
柊(ひいらぎ)藍里(あいり)先輩。中性的な可愛さで学園のアイドル枠の男の子だ。

「誰、その地味な子。朔の新しいおもちゃ~?」

藍里先輩が、ニコニコと可愛い笑顔を浮かべながら、トゲのある言葉を吐き出す。
蓮先輩はリビングの惨状と、私のジャージ姿、そしてテーブルの空き皿を見て、すぐに事情を察したようにため息をついた。

「あー、新しい家政婦か。どうせお前も、俺たちに近づくための売名行為だろ? 悪いけど、そういうの迷惑なんだよね。明日から来なくていいよ。不合格~」

さっきまで暖房で温まっていたはずのリビングの空気が、一瞬でマイナス何度まで下がったんじゃないかと思うくらい、二人の視線は冷たかった。
全女子の恋人と騒がれているはずの、蓮先輩の瞳には、私を映す価値もないと言わんばかりの拒絶。
アイドル枠の藍里先輩の笑顔の奥には、こちらを値踏みするみたいに意地悪な色。

圧倒的な『高みからの視線』に、私は蛇に睨まれた蛙のように硬直してしまう。