「おい……蓮。陽菜に気安く触るな」
横から割り込んできた朔先輩が、私の手を引いて自分の方へと引き寄せた。
朔先輩の瞳は、メラメラとした炎で燃え盛っているみたいに見える。
「なんだよ朔。減るもんじゃねぇだろ。陽菜も嬉しそうだったし」
「僕も陽菜ちゃんに似合うイヤリング選んだよ〜! 朔、独り占めしないで!」
「ダメだ。陽菜に一番似合うものを選ぶのは……俺だ」
ちょっと待って、三人とも!
モール内のカフェのテラス席で、イケメン三人が私を巡ってバチバチと火花を散らしている。
周りの女子中高生たちが「きゃーっ! ドラマみたい!」と大興奮でこっちを見ているよ……!
スイーツショップで頼んだ「イチゴたっぷりのスペシャルパフェ」をみんなで食べるときも、
「ほら陽菜、口開けろ。イチゴ食わせてやる」と、あーんで食べさせようとする朔先輩。
「ずるい! 僕もアイスあげる!」とスプーンを差し出す藍里先輩。
「お前らガキかよ……ほら陽菜、口元に生クリームついてるぞ」と、指で優しく拭い取ってくれる蓮先輩。
(もうダメ……! 心臓が持たない……っ! 助けてお母さん!!)
三人三様の優しさとキュン攻撃に、私の頭は完全にパニック状態。
だけど……みんなが私を「一人の女の子」として大切に扱ってくれているのが嬉しくて、胸の奥が温かい幸せでいっぱいになっていく。
「みんな、今日は本当にありがとうございます。こんな素敵な服も着せてもらえて……私、すごく楽しいです!」
私がパフェを食べながら満面の笑顔を見せると、三人とも一瞬パッと口ぐもり、照れくさそうに同時に視線やお顔を逸らした。
「……バカ。笑顔が可愛すぎ……」
「もう、陽菜ちゃん反則……!」
「……明日から、覚悟しておけよ、陽菜」


