「あ! お母さん、明日寮に戻るとき、みんなに手土産持っていきたいんだけど……お菓子作り、手伝ってくれる?」
「手土産? いいわよ。何を作るの?」
「マドレーヌがいいな! 焼き立てをみんなで食べたいの」
「よし、じゃあ食後にお買い物に行って、材料揃えましょう!」
夕食後、お母さんと近所のスーパーでバターや小麦粉、新鮮な卵を買ってきて、さっそくお菓子作りスタート!
ボールに卵と砂糖を入れて、泡立て器でシャカシャカと白っぽくなるまで混ぜ合わせる。
そこに香ばしい溶かしバターと、ほんのり甘いバニラエッセンスを加えると、キッチン中に幸せすぎる甘い香りが広がり始めた。
「陽菜、マドレーヌをふっくら膨らませるコツはね、型にバターを丁寧に塗ることと、生地を少し休ませることよ」
「はーい! 綺麗に焼けますように……!」
貝殻の形をした可愛らしい焼き型に、レードルでとろりとした生地を流し込んでいく。
オーブンに入れると、ジワジワと熱が加わり、ぷくぅ〜っと生地の真ん中が可愛らしく膨らんできた。
香ばしい焼き色がついて、オーブンの扉を開けると――。
「わあぁぁ……! すごく綺麗に焼けたー! いい匂い~~!」
外はサクッとしていて、中はふんわり、しっとり!
きつね色の綺麗な焼き目がついた、焼き立てホヤホヤの黄金色のマドレーヌが完成した。
「うん、とっても上手に出来たわね。みなさんも、きっと喜んでくれるわ」
「うん! 明日、みんなで食べるの楽しみだなあ」
一つずつ可愛らしい透明なラッピング袋に入れて、リボンをきゅっと結ぶ。
朔先輩にはブルーのリボン。
蓮先輩には黄色のリボン。
藍里先輩には緑色のリボン。
わがままだったりこわかったり意地悪言ったりするけれど、本当は誰よりも優しい、大好きな三人。
(待っててね、みんな。明日、とびきり美味しいマドレーヌを持って帰るからね! みんなが喜んでくれますように!)


