「あ……」
世界がふんわりとボやける。
メガネを外された私は、恥ずかしくて思わず目をギュッと瞑ってしまった。
「……まじかよ」
低く漏れたのは、腕を組んで横に立っていた蓮先輩の声だった。
静まり返るリビング。
なかなか声が聞こえないから、不安になってうっすら目を開けると――。
藍里先輩も、蓮先輩も、息を呑んだままじっと私の顔を見つめて固まっていた。
ソファで雑誌を読んでいた朔先輩は、ページをめくる手を止めて、静かにこちらを観察している。
朔先輩には寝顔見られたんだった……。
「え、あの……やっぱり私、変ですか……?」
「変なわけないだろうが、バカ!!」
蓮先輩がガシガシと自分の頭を掻きむしった。
「お前……なんだよそれ。普段、どんだけそのダサいメガネで顔隠してんだよ。肌は透き通るみたいに白いし、目は大きくてパッチリしてるし、まつ毛も長いじゃねぇか……! 原石どころか、すでに完成してんじゃん……!」
「ほんとだ……! 髪はいっつもお団子に結い上げてるから気づかなかったけど、ツヤツヤのサラサラだし……。これ、僕が本気でメイクしたら、本当に学園で一番の美少女になっちゃうよ!?」
藍里先輩の瞳が、まるで宝物を見つけた子供みたいに輝き出した。
「よしっ! 最初はスキンケアから! 陽菜ちゃん、そこに座って! めちゃくちゃ腕鳴る~~」


