SSSクラスの落ちこぼれ 〜超エリート男子たちの専属お世話係になりました〜


ふにゃふにゃになった朔先輩をなんとかソファに転がし、私は大急ぎでキッチンへと走った。
……しかし、キッチンを見てさらに愕然とする。
最新式の最高級システムキッチンなのに、シンクには洗っていないグラスが放置され、冷蔵庫を開ければ、ほとんど何も入っていない。

(何これ……。お惣菜のプラスチック容器に、炭酸水のボトル。あとは……卵、冷やご飯、ネギ、ハムが少しだけ)

まともな食材がこれしかない。
これだけで、作れるもの……あった!
私は腕まくりをして、すぐに作業に取りかかった。

コンロに火をつけ、熱したフライパンに油をひくと、ジューッとはじける小気味いい音が響く。
卵を纏ったご飯が黄金色に躍り、刻んだネギとハムが炒まる香ばしい匂いが一気にキッチンを満たしていく。
仕上げの醤油を鍋肌にひと回しすると、じゅわっと焦げた香りが立ち上り、お腹を空かせている先輩の鼻をこれでもか!と刺激しているはず。
自炊で鍛えた私の、特製「パラパラ黄金チャーハン」だ。

「よし、できた!」

お皿に盛り付け、スプーンを添えてリビングに運ぶと、匂いに釣られたのか、朔先輩がいつの間にか起き上がって、ソファの真ん中に座っていた。
寝癖をボサボサに立たせたまま、ぼんやりとテーブルの皿を見つめている。

「……何これ」
「チャーハンです。冷蔵庫にこれくらいしか材料がなくて。どうぞ、温かいうちに食べてください」

先輩は不信そうにスプーンを手に取ると、恐る恐る一口、口に運んだ。
そして――。