学校での『身の程知らず』という殴り書き。
冷たいお嬢様たちの視線。
そして、ロイヤル棟の、あの温かくて優しい日常――。
(みんな、今頃ロイヤル棟で、私の夕飯を待ってるのかな……。ごはん、作れなくてごめんなさい……。朔先輩、お腹空かせてないかな……)
こんな状況なのに、頭に浮かぶのは、あの我が儘で、でも愛おしい3人の顔ばかりだった。
特に、最後に見た朔先輩の、あのすべてを見透かすような鋭い瞳が、頭から離れない。
(先輩……。助けて、先輩……っ。朔、先輩!)
床に膝をつき、自分の体をぎゅっと抱きしめる。
ポロポロと溢れ出た涙が、冷たい床に落ちて小さな音を立てた。
意識が遠のくほどの恐怖と寒さの中で、私はただ、届くはずのない絶対君主の名前を、暗闇の中で何度も、何度も、消え入りそうな声で呼び続けることしかできなかった――。
どれくらいの時間が経ったのだろう。
冷え切った床の上で丸まり、ガタガタと震えながら、意識が白く霞み始めた時。
ガンッ……!
バリバリバリッ!
鼓膜が破れるかと思うほどの、凄まじい衝撃音が旧校舎に響き渡る。


