☆SSSクラスのわがまま王子様☆超エリート男子たちの専属お世話係になりました☆


「……おい、陽菜。お前、なんか隠してねぇか?」

「えっ!? な、何もないですよ! ほら、今日の夕飯の準備、まだ途中なので!」

慌てて声を裏返してごまかす私に、藍里先輩もいつもの悪戯っぽい笑顔を完全に消して、静かで真剣な瞳を向けてくる。

「陽菜。顔色、すごく悪いよ。クマも酷いし……無理はしちゃダメだよ?」

「藍里先輩まで何言ってるんですか! 本当に大丈夫ですから!」

冷や汗が背中を伝う。
これ以上突っ込まれたら、本当に涙が溢れてしまいそう。

逃げるようにキッチンへ戻ろうとした、その時。

(……あ)

背中に、じっと突き刺さるような、重い視線を感じて足を止めた。

リビングの特等席。
大きな一人掛けのソファ。

そこに深く腰掛けた朔先輩が、流れるような黒髪の隙間から、恐ろしいほどに鋭い瞳で、私の様子をじっと無言で見つめていた。

いつもなら「陽菜、腹減った」とジャージの袖を引っ張ってくるはずの先輩が、一言も発しない。
ただ、すべてを見通すようなその絶対君主の双眸で、私の震える肩、無理に作った笑顔、そして隠された傷を、深く、深く、射抜くように凝視している。

その無言の視線が、何を意味しているのか。
怒っているのか、それとも呆れているのか。

先輩の底知れない瞳の奥の感情が読み取れなくて、私の心臓は、学校で嫌がらせを受けたときよりも激しく、痛いほどに波打っていた――。