私は、怒りすぎたお詫びも兼ねて、昼間のうちに仕込んでおいた「あるおやつ」をトレイに乗せ、2階の藍里先輩の部屋の前へ向かった。
コンコン、とドアを叩く。
「藍里先輩、入りますよ?」
返事がないのでそっとドアを開けると、部屋は薄暗く、大きなトリプルモニターの光だけが部屋を青白く照らしていた。
その中心で、藍里先輩が膝を抱えて椅子に座っている。
「……何? 僕をまた説教しに来たの?」
「これ、お詫びです」
私は机の端に、ガラスの器に入ったプリンを置いた。
カラメルソースがツヤツヤと光る、昔ながらの少し固めの手作りカスタードプリンだ。
「これ、何?」
「プリンです。藍里先輩、ジャンクなお菓子ばっかり食べてるから、たまにはちゃんとした手作りのものをと思って。卵と牛乳だけで作ったので、体にもいいですよ」
藍里先輩はモニターから視線を外し、怪訝そうにプリンを見つめた。
そして、スプーンを手に取ると、小さく一口すくって口へ運ぶ。
「…………っ」


