☆SSSクラスのわがまま王子様☆超エリート男子たちの専属お世話係になりました☆


「先輩……?」

「お前、毎日水仕事ばっかりして、手が荒れてるし。……無香料がいいって言ったのは、お前の手が荒れて、変な薬の匂いがシャツにつくのが嫌だっただけだからな。勘違いするなよ?」

ツン、とそっぽを向く蓮先輩。
でも、その耳はやっぱり真っ赤だった。

(私の手荒れを、見ててくれたんだ……)

学校で見せる完璧な笑顔でもない、嫌味な態度でもない。
不器用で、だけど人一倍優しい、蓮先輩の本当の素顔。

「ありがとうございます、蓮先輩。大切に使いますね!」

私が満面の笑みで伝えると、蓮先輩は驚いたように目を見張った。
そして、前髪をくしゃくしゃとかき混ぜると、観念したように小さく笑った。

「……お前、本当に変なやつ。他の女なら、ここで色目使ってくるところなんだけどな~」

「私は色目じゃなくて、お腹が空いた先輩たちに美味しいご飯を作るのが仕事ですから!」

「はいはい。……じゃあ、明日も美味い飯頼むわ。おやすみ」

ぽんぽん、と私の頭を軽く叩いて、蓮先輩は足早に階段を上っていった。
手の甲に塗ったハンドクリームは、じんわりと温かくて、とても優しい香りがした。

こうして、少しずつだけど、ロイヤル棟の氷が溶け始めていた。