☆SSSクラスのわがまま王子様☆超エリート男子たちの専属お世話係になりました☆



翌日から、私の怒涛の二重生活が本格スタート。

昼間は、地味なメガネで、極力気配を消して過ごす『一般庶民の特待生 森下陽菜』。
そして放課後は、髪をお団子に結い上げ、ジャージに着替えてロイヤル棟をあっちこっち走り回る『専属お世話係の陽菜』。

「ねえ、陽菜。僕のクローゼット、靴下のグラデーション順に並べ替えといて。あ、あと紅茶はダージリンのファーストフラッシュね。淹れ方間違えたら怒るから」

「はいはい、藍里先輩。靴下はグラデーションじゃなくて、まずは丸めて引き出しにしまうところから始めましょうねー。紅茶は今ないんです。なのでこちらをどうぞ! お徳用の麦茶です」

「えっ、苦い! でも……なんか香ばしくて悔しいけど美味しい……」

「おーい、陽菜ちゃん。俺のシャツのボタンが取れかかってるから、今日中に直して~」

そんな言葉とともに、ツンとした顔で蓮先輩から差し出されたのは、超有名店の高級マカロン。
もしやこれはお礼というやつなのだろうか。

結構、律儀な人だなあ。

「わあ、ありがとうございます! 蓮先輩、ツンツンしてる割にマメですね!」

「うるさいなあ。早くやっておけよ?」

文句を言いつつも、藍里先輩と蓮先輩の取り扱い方は、なんとなーくわかってきた。
……そう、この二人までは、まだ良かったのだ。
最大の問題は、学園の絶対君主にして、ロイヤル棟の王者である一ノ瀬朔先輩である。

「……陽ー菜、なんか食わせろ」

夕方、リビングに現れた朔先輩は、学校から帰ったあと、お昼寝でもしていたみたいなボサボサの頭で、私のジャージの袖をぎゅっと掴む。
学校では、冷徹な一言で全校生徒を震え上がらせている生徒会長だ。

その人が、私の後ろをヨロヨロとついて回るストーカーと化している。

学校で見る顔、ロイヤル棟で見る顔、二人きりの時に見せる顔。
それぞれがぜんっぜん違い過ぎて、私の心が持たない。

「先輩、今夜はハンバーグですから、ちゃんと手を洗って席についてください!」

「んーー」

「口開けて待たないで、自分で食べてください!!」

毎日がこんな調子。