「ちょっと、蓮さん! 本当に下ろしてください……っ!」
真白がいくら胸元をポカポカと叩いても、蓮は全く動じる様子もなく、むしろ愛おしいおもちゃを手に入れた子供のように嬉々とした表情で廊下を進んでいく。
お姫様抱っこされたまま浴室へ連れ込まれた真白は、脱衣所の鏡に映る自分たちの姿を見て、さらに顔を真っ赤にした。
乱れた黒髪、熱に浮かされたように赤くなった頬、そして蓮の大きなTシャツから覗く、赤みの差した白い太もも。
「ほら、お風呂沸いたよ」
蓮は真白を床に下ろすと、すぐさま背後から包み込むようにして彼女の細い腰に腕を回した。
「い、一緒に入るなんて、絶対にダメです……! 恥ずかしすぎます」
「どうして? さっきソファであんなに深く繋がったのに、今更お風呂くらいで恥ずかしがるなんて、真白は本当に可愛いね」
耳元で、わざと意地悪に囁かれる。
真白が振り返って睨もうとすると、蓮はすかさずその隙を突いて、真白の首筋に甘く吸い付くようなキスを落とした。
「ひゃうっ……、いたずらしないでください……」
「いたずらじゃないよ、本気。……ほら、服脱がせてあげる」
「自分ですっ、自分で脱ぎますから……!」
慌てて蓮の手を払い、真白は背中を向けて大きめのTシャツを脱ぎ捨てた。けれど、浴室に入っても、蓮の甘やかすような包囲網からは逃れられなかった。
温かい湯気が立ち込める浴室。
浴槽に浸かると、真白は心地よい温かさに思わず「はぁ……」と小さく息を漏らした。
だが、そのすぐ後ろに、蓮が当然のように入ってくる。
もともと一人暮らし用の浴槽は二人で入るには狭く、真白は蓮の胸板と長い脚に挟まれるようにして、密着せざるを得なくなった。
「狭い、です……」
「狭い方がいい。こうして、真白の温もりをずっと感じていられるから」
蓮は真白を後ろから抱き抱えるようにして、自分の胸に彼女の背中をぴたりと預けさせた。湯水の中で、二人の肌がぬるりと滑らかに擦れ合う。
蓮の手が、お湯の中で真白の引き締まったお腹をそっと撫で、それからゆっくりと、まだ余熱を帯びたふっくらとした胸へと伸びていく。
「蓮さん、お風呂の中では、大人しくしていてください……」
「真白がすぐそばにいて、大人しくしてるなんてできないよ…」
それから、2人で湯船から出ると、
蓮はボディソープを手に取り、豊かに泡立てると、その大きな手で真白のデリケートな身体を優しく洗い始めた。
鎖骨から、丸みを帯びた胸のふくらみ、そしてくびれた腰ラインへ。泡を滑らせる蓮の指先は驚くほど繊細で、触れられるたびに、真白の身体に再び甘い痺れが走る。
「あ……、っ、ん…………」
「耳まで真っ赤。真白、そんなに気持ちいい?」
「意地悪……。蓮さん、手が……そこ、ちがいます……っ」
「違わないよ。ここも、綺麗に洗わなきゃ」
蓮の指が、泡にまみれた真白の秘められた場所を、ぬるりと撫でるように割って入っていく。
さっきソファであれほど愛し合ったばかりなのに、真白の身体は再び淫らに潤み、蓮の指をきゅっと締め付けた。
「はぁっ、んんっ……、れん、さん……っ、だめ……っ、また、おかしく、なっちゃう……」
「おかしくなって。俺の前で、もっとめちゃくちゃになってよ、真白……」
蓮の息遣いが荒くなる。
湯気の中に満ちる、濡れた肌の匂いと、甘いボディソープの香り。
蓮は真白を浴槽の縁に手をつかせ、後ろからその細い腰をぐっと引き寄せた。
「真白……もう一回、いい?」
「お風呂、ですよ……? 滑る、から……っ」
「大丈夫、俺がちゃんと支えるから。……愛してる、真白」
「あ、っ……ふ、ぁ……っ!」
ぬるりとした熱い質量が、真白の奥深くへと再び滑り込んでいく。
真白は浴槽の縁にしがみつき、温かい湯気の中で、再び彼がもたらす激しい快感の渦へと溺れていくのだった。
一時間後。
ようやくお風呂から上がり、お互いの髪を乾かし終えた頃には、外はすっかり夕暮れ時の美しいグラデーションに染まっていた。
「今度こそ、本当にご飯にします。蓮さん、キッチンに立ってください」
真白がぷんぷんと怒ったように腰に手を当てて指示すると、蓮は髪を少し湿らせたまま、嬉しそうに「はい、ただいま」とエプロンを身に付けた。
今夜のメニューは、蓮の得意なイタリアン。
手際よく野菜を刻み、パスタを茹でる蓮の後ろ姿を、真白はソファからじっと見つめていた。
(本当に、不思議……。あの完璧な蓮さんが、エプロン姿で私のためにご飯を作ってくれてる……)
会社では、誰もが憧れる孤高のエース。
けれど、自分の前で見せる彼は、驚くほど不器用で、独占欲が強くて、そして呆れるほどに甘い。
彼に愛された身体の奥が、今もじんわりと温かい。
「真白、できたよ。お腹空いたでしょ」
テーブルに並べられたのは、プロ顔負けの美しいトマトパスタと、彩り豊かなサラダ。
「美味しそう……! いただきます」
真白が一口食べると、トマトの濃厚な旨味とハーブの香りが口いっぱいに広がった。
「すごく、美味しいです……! 蓮さん、本当にお料理上手ですね」
「真白が美味しいって言ってくれるのが、一番嬉しい。……はい、あーん」
「えっ、自分で食べられますっ」
「やだ。俺が食べさせたいの。ほら、あーん」
フォークにパスタを巻き付け、子供をあやすように差し出してくる蓮。
そのあまりの糖度の高さに呆れつつも、真白はこっそり嬉しさを噛み締めながら、小さな口を開けてそれを受け入れた。
「……ふふ、美味しい」
「可愛いな、もう……」
蓮は真白の口元についたソースを、親指で優しく拭い、それを自分の唇でペロリと舐めとった。
その一挙一動すべてが、今の真白にとっては甘くて、愛おしくてたまらない。
緑川に過去を突きつけられて泣いていたあの日の不安は、もう完全に、この温かく、少し照れくさくて、どこまでも甘い「新しいログ」によって消し去られていた。
夕食の後は、またソファで一つの毛布に包まりながら、静かな映画を観る。
真白は蓮の胸に頭を預け、蓮はその華奢な身体をそっと抱きしめながら、彼女の髪に何度も優しいキスを落としていた。
ゆっくりと更けていく、二人の初めての週末。
重なり合う鼓動の音が、これからの甘い未来を優しく、そして確かに告げていた。
真白がいくら胸元をポカポカと叩いても、蓮は全く動じる様子もなく、むしろ愛おしいおもちゃを手に入れた子供のように嬉々とした表情で廊下を進んでいく。
お姫様抱っこされたまま浴室へ連れ込まれた真白は、脱衣所の鏡に映る自分たちの姿を見て、さらに顔を真っ赤にした。
乱れた黒髪、熱に浮かされたように赤くなった頬、そして蓮の大きなTシャツから覗く、赤みの差した白い太もも。
「ほら、お風呂沸いたよ」
蓮は真白を床に下ろすと、すぐさま背後から包み込むようにして彼女の細い腰に腕を回した。
「い、一緒に入るなんて、絶対にダメです……! 恥ずかしすぎます」
「どうして? さっきソファであんなに深く繋がったのに、今更お風呂くらいで恥ずかしがるなんて、真白は本当に可愛いね」
耳元で、わざと意地悪に囁かれる。
真白が振り返って睨もうとすると、蓮はすかさずその隙を突いて、真白の首筋に甘く吸い付くようなキスを落とした。
「ひゃうっ……、いたずらしないでください……」
「いたずらじゃないよ、本気。……ほら、服脱がせてあげる」
「自分ですっ、自分で脱ぎますから……!」
慌てて蓮の手を払い、真白は背中を向けて大きめのTシャツを脱ぎ捨てた。けれど、浴室に入っても、蓮の甘やかすような包囲網からは逃れられなかった。
温かい湯気が立ち込める浴室。
浴槽に浸かると、真白は心地よい温かさに思わず「はぁ……」と小さく息を漏らした。
だが、そのすぐ後ろに、蓮が当然のように入ってくる。
もともと一人暮らし用の浴槽は二人で入るには狭く、真白は蓮の胸板と長い脚に挟まれるようにして、密着せざるを得なくなった。
「狭い、です……」
「狭い方がいい。こうして、真白の温もりをずっと感じていられるから」
蓮は真白を後ろから抱き抱えるようにして、自分の胸に彼女の背中をぴたりと預けさせた。湯水の中で、二人の肌がぬるりと滑らかに擦れ合う。
蓮の手が、お湯の中で真白の引き締まったお腹をそっと撫で、それからゆっくりと、まだ余熱を帯びたふっくらとした胸へと伸びていく。
「蓮さん、お風呂の中では、大人しくしていてください……」
「真白がすぐそばにいて、大人しくしてるなんてできないよ…」
それから、2人で湯船から出ると、
蓮はボディソープを手に取り、豊かに泡立てると、その大きな手で真白のデリケートな身体を優しく洗い始めた。
鎖骨から、丸みを帯びた胸のふくらみ、そしてくびれた腰ラインへ。泡を滑らせる蓮の指先は驚くほど繊細で、触れられるたびに、真白の身体に再び甘い痺れが走る。
「あ……、っ、ん…………」
「耳まで真っ赤。真白、そんなに気持ちいい?」
「意地悪……。蓮さん、手が……そこ、ちがいます……っ」
「違わないよ。ここも、綺麗に洗わなきゃ」
蓮の指が、泡にまみれた真白の秘められた場所を、ぬるりと撫でるように割って入っていく。
さっきソファであれほど愛し合ったばかりなのに、真白の身体は再び淫らに潤み、蓮の指をきゅっと締め付けた。
「はぁっ、んんっ……、れん、さん……っ、だめ……っ、また、おかしく、なっちゃう……」
「おかしくなって。俺の前で、もっとめちゃくちゃになってよ、真白……」
蓮の息遣いが荒くなる。
湯気の中に満ちる、濡れた肌の匂いと、甘いボディソープの香り。
蓮は真白を浴槽の縁に手をつかせ、後ろからその細い腰をぐっと引き寄せた。
「真白……もう一回、いい?」
「お風呂、ですよ……? 滑る、から……っ」
「大丈夫、俺がちゃんと支えるから。……愛してる、真白」
「あ、っ……ふ、ぁ……っ!」
ぬるりとした熱い質量が、真白の奥深くへと再び滑り込んでいく。
真白は浴槽の縁にしがみつき、温かい湯気の中で、再び彼がもたらす激しい快感の渦へと溺れていくのだった。
一時間後。
ようやくお風呂から上がり、お互いの髪を乾かし終えた頃には、外はすっかり夕暮れ時の美しいグラデーションに染まっていた。
「今度こそ、本当にご飯にします。蓮さん、キッチンに立ってください」
真白がぷんぷんと怒ったように腰に手を当てて指示すると、蓮は髪を少し湿らせたまま、嬉しそうに「はい、ただいま」とエプロンを身に付けた。
今夜のメニューは、蓮の得意なイタリアン。
手際よく野菜を刻み、パスタを茹でる蓮の後ろ姿を、真白はソファからじっと見つめていた。
(本当に、不思議……。あの完璧な蓮さんが、エプロン姿で私のためにご飯を作ってくれてる……)
会社では、誰もが憧れる孤高のエース。
けれど、自分の前で見せる彼は、驚くほど不器用で、独占欲が強くて、そして呆れるほどに甘い。
彼に愛された身体の奥が、今もじんわりと温かい。
「真白、できたよ。お腹空いたでしょ」
テーブルに並べられたのは、プロ顔負けの美しいトマトパスタと、彩り豊かなサラダ。
「美味しそう……! いただきます」
真白が一口食べると、トマトの濃厚な旨味とハーブの香りが口いっぱいに広がった。
「すごく、美味しいです……! 蓮さん、本当にお料理上手ですね」
「真白が美味しいって言ってくれるのが、一番嬉しい。……はい、あーん」
「えっ、自分で食べられますっ」
「やだ。俺が食べさせたいの。ほら、あーん」
フォークにパスタを巻き付け、子供をあやすように差し出してくる蓮。
そのあまりの糖度の高さに呆れつつも、真白はこっそり嬉しさを噛み締めながら、小さな口を開けてそれを受け入れた。
「……ふふ、美味しい」
「可愛いな、もう……」
蓮は真白の口元についたソースを、親指で優しく拭い、それを自分の唇でペロリと舐めとった。
その一挙一動すべてが、今の真白にとっては甘くて、愛おしくてたまらない。
緑川に過去を突きつけられて泣いていたあの日の不安は、もう完全に、この温かく、少し照れくさくて、どこまでも甘い「新しいログ」によって消し去られていた。
夕食の後は、またソファで一つの毛布に包まりながら、静かな映画を観る。
真白は蓮の胸に頭を預け、蓮はその華奢な身体をそっと抱きしめながら、彼女の髪に何度も優しいキスを落としていた。
ゆっくりと更けていく、二人の初めての週末。
重なり合う鼓動の音が、これからの甘い未来を優しく、そして確かに告げていた。



