金曜日の夜から土日にかけて、真白の頭の中は完全にバグを起こしていた。
「あー、もう! フォーカスが合わない、ボタン入力のタイミングがずれる……ッ!」
お気に入りのゲーム『アルケディア・クロニクル』の画面に向かっているというのに、一向に集中できない。
コントローラーを握る真白の手元はおぼつかなく、難易度の低い雑魚モンスターを相手にまさかの苦戦を強いられていた。
画面に映るファンタジー世界の美麗なグラフィックも、今はすべて、あのエレベーターの中での神尾蓮の顔に脳内変換されてしまう。
『月曜日、待ってて。乾さんが絶対に断れない仕事を持って、君のところに行くから』
「絶対に断れない仕事って何!? 嫌がらせ? それともやっぱり、私のオタク弱みをネタにして、会社でバラすとでも脅す気……!? うぅ、あの完璧男、何を考えてるのよ……」
ベッドの上にゴロゴロと転がり、年季の入ったスウェット姿で悶絶する。
恋愛経験が皆無な真白にとって、「異性から個人的に迫られる」という事態は、ゲームの未知のバグ遭遇よりも恐ろしい領域だ。
「好意……なわけ、ない。あんな社内一の完璧王子が、私みたいな残念オタクを好きになるバグが現実世界で起きるはずないし。きっと、何か別の意図があるんだわ」
真白は自分にそう言い聞かせ、必死に胸のバクバクを抑え込もうとした。
しかし、結局その週末はまともにゲームを進めることもできず、寝不足のまま月曜日の朝を迎えることになってしまった。
「あー、もう! フォーカスが合わない、ボタン入力のタイミングがずれる……ッ!」
お気に入りのゲーム『アルケディア・クロニクル』の画面に向かっているというのに、一向に集中できない。
コントローラーを握る真白の手元はおぼつかなく、難易度の低い雑魚モンスターを相手にまさかの苦戦を強いられていた。
画面に映るファンタジー世界の美麗なグラフィックも、今はすべて、あのエレベーターの中での神尾蓮の顔に脳内変換されてしまう。
『月曜日、待ってて。乾さんが絶対に断れない仕事を持って、君のところに行くから』
「絶対に断れない仕事って何!? 嫌がらせ? それともやっぱり、私のオタク弱みをネタにして、会社でバラすとでも脅す気……!? うぅ、あの完璧男、何を考えてるのよ……」
ベッドの上にゴロゴロと転がり、年季の入ったスウェット姿で悶絶する。
恋愛経験が皆無な真白にとって、「異性から個人的に迫られる」という事態は、ゲームの未知のバグ遭遇よりも恐ろしい領域だ。
「好意……なわけ、ない。あんな社内一の完璧王子が、私みたいな残念オタクを好きになるバグが現実世界で起きるはずないし。きっと、何か別の意図があるんだわ」
真白は自分にそう言い聞かせ、必死に胸のバクバクを抑え込もうとした。
しかし、結局その週末はまともにゲームを進めることもできず、寝不足のまま月曜日の朝を迎えることになってしまった。



