向日葵は彩る君に恋をした

「ありがとう。でもハンカチは大丈夫だよ。汚れてしまうから」

そう言って、ハンカチを丁寧に畳んで麻美に返すと──

「キャーッ、九条様の触れたハンカチ……もう洗えない……!」

麻美はそれを胸元に抱きしめ、宝物のように大事にした。

「彼女、九条様の信者だから気にしないで」

千夏が小声で補足する。伊織くんは苦笑しながら、私の隣に腰を下ろした。

「これ、葵に食べてもらいたくて持ってきた」

差し出された紙皿のカレー。私はスプーンを持ち上げる。

「いただきます」

一口食べる。甘くて食べやすいカレーだ。

「うん、美味しい!」

そう言った瞬間、伊織くんの表情がパッと明るくなる。

「良かった」

その笑顔を見ていた千夏と山田が、同時に目を丸くした。

「ねぇ、二人ってどんな関係?」

千夏がじとっと私を見つめる。

「ただならぬ関係」

伊織くんが、さらっと言った。

「ちがう! えっと……つ、つ、付き合ってる……」

小声で呟いた瞬間──千夏と山田の口が、同時にポカンとする。