向日葵は彩る君に恋をした

「ふふ、では。黒井さん、邪魔者はお暇しますよ。
ありがとうございました」

亀井さんが頭を下げ、黒井さんがプレゼントを運ぶのを手伝いながら部屋を出ていく。そして──二人きりになった。

「葵」

「なに?」

「これ、あげる」

差し出されたのは、向日葵をモチーフにした花バサミだった。繊細なデザインに、切れ味が良さそう。

「これは……」

「お礼かな」

「お礼?」

「そう。俺の欠けてたピースを埋めてくれたのは葵だから」

少し照れたように笑う。

「随分とキザなセリフ」

「確かに」

肩をすくめる仕草が可愛い。

「綺麗だね……ありがとう。大事に使う」

「ああ」

視線がふっと重なる。熱を帯びた瞳。恥ずかしいのに、そらしたくない。そっと頬に触れる手。その温度に胸がぎゅっとなる。
距離がゆっくり縮まって──触れたのは、静かで優しい気持ちを確かめるようなぬくもりだった。