向日葵は彩る君に恋をした

「葵」

「伊織くん……聞いてた?」

そう言うと、「まあ」とだけ答えて、ソファの前に跪いた。その姿勢に、胸が少し跳ねる。

「俺には葵が必要だ。
俺はまだ未熟だし、プロとしてやっていくにはもっと精進していかなきゃならない。俺だけだと無理だ。
だから隣にいてほしい。この先も」

「伊織くん……」

「もちろん、損はさせない。
葵がやりたいこと、俺も力になる。
俺も葵の人生に巻き込んでほしい」

真っ直ぐに告げられた言葉に、私は目を丸くする。その瞬間──

「なんだか……プロポーズみたいですね、伊織様」

黒井さんがさらっと言う。私はかーっと赤くなる。だけど伊織くんは涼しい顔で、

「まあ、そう受け取ってもらっていいけどさ」

「いやいやいや、なに言ってるの!?
まだ付き合って一ヶ月とかだよ?」

慌てる私に、伊織くんはふっと笑って、

「それもそうだな。
ゆっくり行こうか、俺たちのペースで」

そう言って、私の手をそっと取った。その手はあたたかくて、“この人となら”と思わせる力があった。